中国発の若者トレンドが熱い。特にメイク、ネイルの分野ではすでに日本人のTwitterやInstagramでも頻繁にやりとりされ、多くの人の参考になっている。
その情報の発信元と言えるのが、中国版Instagramとも呼ばれる中国発のSNSアプリ、RED(小紅书/小紅書、以下RED)。世界中からダウンロードが可能だ。
連載第2回となる今回では、明日から真似したい具体的なトレンドとインフルエンサーについてTwitterで発信を続ける「包子」さんにお話を伺った。日本人の立場から中国トレンドを追う楽しさや、流行にキャッチアップする秘訣をぜひチェック。
包子さんTwitterアカウント:https://twitter.com/ripvanwinkle99
秋冬で大人気の帽子はまさかの「兔毛醒狮帽」防寒、小顔効果バツグンだし、すっぴんの日もこれにマスクでしっかり盛れるから凄い…小红书で「兔毛醒狮帽」で検索 pic.twitter.com/B0OqwMWNji— 包子 (@ripvanwinkle99) October 4, 2022
秋冬で大人気の帽子はまさかの「兔毛醒狮帽」防寒、小顔効果バツグンだし、すっぴんの日もこれにマスクでしっかり盛れるから凄い…
小红书で「兔毛醒狮帽」で検索 pic.twitter.com/B0OqwMWNji
— 包子 (@ripvanwinkle99) October 4, 2022
↑包子さんおすすめの秋冬トレンド
REDでいま一番やりとりされているのは、メイクや美容の情報ですね。中でも芸能人やインフルエンサーの「物真似メイク」がバズることが多いです。
生まれつき圧倒的美人な女優よりも、一気に垢抜けたアイドル出身の女優や、親しみやすいインフルエンサーがお手本とされやすい傾向にあります。
日本人から見ても真似しやすい有名人は、元SNH48出身の鞠婧禕(ジュー・ジンイー)。日本では「キクちゃん」とも呼ばれています。圧倒的に垢抜けた例として、みんなのモチベーションにもなっていますね。
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↑鞠婧禕本人のInstagramより
キクちゃんはこだわりがすごいんです。絶対にまつげは1本1本あげるとか、眉毛はちょっと太めのアーチ状で、眉尻に少し元々の毛を残しておくとか。中国では「野生眉」と呼ばれています。
REDユーザーの間でも、キクちゃんのメイクを研究したり解説した投稿は特にバズりやすいです。
彼女の色素薄めでちょっと儚い雰囲気のメイクは「白湯メイク(中国語では”白开水妆容”)」と呼ばれて人気がありました。
↑キクちゃんの白湯メイクを解説した投稿
最近だと、今年の夏は彼女のY2Kメイク(2000年頃のファッションを意識した世界的な流行)の写真がすごくバズりました。
青系のアイメイクに、編み込んだお団子のヘアアレンジ、上下でデニムを合わせたスタイルはたくさん真似されて、REDでもよく投稿を見かけましたね。
↑鞠婧禕本人のWeiboより。
あと、みんなが真似したい子といえば易梦玲(イー・モンリン)。他のインフルエンサーとはレベルが違うと言ってもいいくらい人気があります。
彼女は中国で一番有名なHIGHER BROTHERSというラッパー集団のラッパーの彼女で、それがきっかけでバズったんです。芸能人ではなくインフルエンサーだから、自分も真似できるかも、とみんなが思えるというのも人気の理由ですね。
彼女もバッサバサのまつげだったりとか、目尻にアイラインはひかないとか、メイクや写真の撮り方のこだわりが強いタイプです。
いろんなメイクができる子よりも、自分が一番盛れる方法がわかっている子のメイクが参考にされやすいですね。こういう、その子なりのこだわりが決まってる子のメイクはよく真似されてるなと思います。
易梦玲の場合はメイクだけじゃなくて、髪の巻き方も参考にされていますね。中国の人って毛量をめっちゃ気にするんですよ。髪の毛が多いのが美人の必須条件になっているんです。
易梦玲本人もトップのボリュームの出し方をよくファンの方に聞かれていて、動画で答えたりしていますね。
ファッションの面でいうと、女優の楊冪(ヤン・ミー)も根強い人気があります。ヤン・ミーといえばとにかく美脚が有名で、脚を引き立たせた「ヤン・ミーコーディネート」っていう流行語があるくらいよく真似されています。
代表的なのは、大きめのジャケットにショーパンとかスニーカーで、脚だけガバっと見えるファッション。足元は靴下に黒のゴツいブーツのパターンもありますね。
この数年のステイホームで、少し変わった「映える」撮影方法のトレンドもたくさん出てきました。
目元にピンクや白のラインストーンを直貼りして撮影するのはもはやあるある。家から出ない前提だからこそできることですよね。
あと日本では見かけないものだと、マスクを造花で飾るのも流行りました。これも完全に家用ですね。
↑K-POPグループ「EVERGLOW」で活躍する中国出身メンバーの王怡人(イロン)のWeibo投稿
真似しやすいものだと、A4用紙の真ん中を破ってハート型にくり抜いて、そこから顔を覗かせる撮影方法がありました。
ハートのふちをチークで飾ったり、シールでかわいくしたりとか。REDで「A4纸爱心拍照」を検索するとたくさん出てきます。
こういう撮影のトレンドは、友達同士の遊びの延長でもあるんです。
中国の大学生はほぼみんな宿舎に住んでるので、「外にも出られないしつまらないから写真撮って遊ぼうよ」みたいな感じで女の子たちが集まって、メイクとか写真を撮って投稿しているうちに、それがトレンドになっていくイメージですね。
一人でも気軽に真似しやすいのは、逆光のドアの前に立って撮影すること。
ちょっと2次元アニメっぽい感じで、とにかく美脚アピールできるのがポイントです。特に準備もしないでお家でできる手頃感もあるし、芸能人もよく投稿していましたね。
日本育ちの日本人の私からすると、中国エンタメとか中国トレンドを追うのは正直ちょっと大変な部分もあります。
韓国トレンドなら日本と同じようにインスタとかツイッターで見られるけれど、中国になるとウェイボーと小紅書を使わなきゃいけないので最初のハードルが大きいですよね。
でも慣れてくるとアプリは感覚的に使えるから情報を得るのも楽になるし、エンタメ的な面でも供給がとても多いから楽しいです。
たとえばテレビ番組は週1回の本放送の他に、その練習風景とかアイドルがゲームしてる姿とか、ほぼ毎日配信があるんです。
ドラマも公式が字幕付きでYouTubeにフル動画をアップロードしたりしているので、中国語の勉強としても役に立ちますね。
日本との違いで言うと、さっき易梦玲のことを「ラッパーの彼女としてバズった」と紹介しましたが、中国では本当にラッパーが人気あるんです。
私もすごく好きなんですけれど、日本や欧米のラッパーに比べると活動の方向性は少しアイドル的な側面もあります。
今一番イケてると言われているのは、やっぱり马思唯(Masiwei)。
易梦玲の彼氏で、A.F.G.K(アフューグッドキッズ)っていうブランドのオーナーとしても有名です。日本でもたまに着てる人を見かけますね。
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あと、女の子のファンが多いなと思うのはTizzy T。他にもCapper、沙一汀、NINEPERCENT出身の小鬼といったラッパーたちも人気があります。中国のラップシーンはこの数年で特に盛り上がっているので、ぜひ日本からもチェックしてみてほしいです。
女性のインフルエンサーだと、私の”推し”は蒲儿姓蒲(通称:ぷぁちゃん)。
コンテンツの内容も結構日本のYouTuberに近くて、ファッションとか色白になる方法とか、ブラがチラ見えしない方法とか(笑)、そういうちょっと気になる情報とかを短い動画で細かく1個1個取り上げてくれてるんです。元CAでスタイルもすごく良くて、本当にかわいいんです。
ぷぁちゃんはグローバルにYouTubeでも投稿してくれています。日本語字幕がついている動画もあるので、ぜひ見てみてください。
↑日本語字幕付き。「(JPN)夏こそうるちゅるワンホンネイル~マッチングアプリで本物の愛に出会えるか~【蒲儿姓蒲】」
あと、センスがいいなって思うのは、方恰拉。インフルエンサーって流行を追いかけることが多いんですけれど、彼女は「自分が最近好きなもの」を発信しているので、根強いファンがたくさんいますね。
インスタでも結構投稿しているので、日本からも追いやすいです。(最近投稿が途切れてしまっていますが…!)
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REDって結構写真で満足できるので、本当に見てるだけでいいんですよ。顔出ししてる子が多いので、メイクもただのスウォッチだけよりずっと参考になります。
そうやって見ているうちに、なんとなくこの単語が多いなとか分かってくるんですよね。
日本人の私も最初は全然わからなかったけれど今はすっかり中国オタクなので、まずは自分でアカウントを作ってみるのが何よりもおすすめです。
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