4月26日〜30日に開催された「イエール国際モード&写真フェスティバル」。

最終日には、最も注目されるファッション部門コンペティションの優勝者が発表された。

栄冠を手にしたのは、オランダ出身でアントワープ王立芸術学院を卒業したデザイナーのRushemy Botter(ロッシュミー・ボッター)とLisi Herrebrugh(リシ・ヘレブロ)が手掛けるブランド、Botter(ボッター)。

300以上の選出者の中から選ばれた10人のファイナリストのうち、同ディナーデュオは15,000ユーロ(約200万円)の最優秀賞を受賞した。

さらに、CHANEL(シャネル)の子会社のワークショップへのアクセス権が付与され、Petit Bateau(プチバトー)から1万ユーロ(12,000米ドル)の賞を授与され、ブランドでカプセルコレクションをデザインする機会が与えられる。

審査員が賞賛した受賞作品内容

デザイナーHaider Ackermann(ハイダー・アッカーマン)が率いる審査員は、昨年Rushemy Botterがアントワープ王立芸術学院の卒業コレクションとして発表した「Fish or Fight」コレクションを賞賛した。

Botterは、環境汚染などのコレクションにおける現代的なテーマに触れており、今回の受賞コレクションにも反映されている。

彼らはカリブの遺産に敬意を表し、ユーモラスなセンスでジェンダーレスで流動的な文化的課題に取り組んだ。

明るい色と花柄の服は誇張され、分解し、インフレータブル玩具やシェルロゴなどを使用。

さらに、大企業が環境に負担をかけ、地元の漁師が繁栄することがますます困難になっているという事実に着目し、海洋を汚染するもののシンボルとして漁網やプラスチック製のインフレータブル製品を、アクセサリーにした。

フェスティバルのディレクターJean-Pierre Blanc(ジャン・ピエール・ブラン)は、「彼らは地球上での消費の影響を示す壮大なコレクションの創作者です」と語った。

Haider Ackermannは「コレクションに埋め込まれた歴史の感覚と、今日の世界で共鳴する文化的意味について、彼らのメッセージは非常に現実的で、人間の深い部分に触れるものです。

彼らのエネルギーは信じられない強いと感じました」とコメント。

Botterについて

Lisi Herrebrughはアムステルダムファッション研究所を卒業し、Rushemy Botterはアントワープのアントワープ王立芸術学院を卒業し、現在アントワープにスタジオを構えている。

昨年のアムステルダムファッションウィークに掲載された「 Fish or Fight」コレクションは、ジャーナリストたちを熱狂的に惹きつけた。

Botterはすでに多くの賞を手にしている。Rushemyはベル・ファッション賞でAnn Demeulenmeester賞、フランダースDC賞、Dries van Noten賞、Belmodo賞、Knack Weekend賞、そしてアントワープ王立芸術学院で「最も有望な卒業生」賞を受賞した。

このデュオは現在、6月6日に受賞者が発表される、LVMH Prize 2018のレースにも参加している。

業界で最も受賞金が高いとされるLVMH Prize2018の優勝者には30万ユーロ(約3900万円)の報酬と1年間のメンタリングプログラムが提供される。

その年の間に、LVMHはブランドをさらに発展させる方法について、一流デザイナーからアドバイスを受けられる。

昨年はMarine Serre(マリーン・セル)が「イエール国際モード&写真フェスティバル」の優勝者となり、LVMH Prizeも受賞しただけに、Botterも同じようにダブル受賞となるのか注目される。