アメリカ版『ヴォーグ』の編集長アナ・ウィンターは、ワンピースの女王とも呼ばれ、黒のモノトーンが大嫌いで、いつもカラフルな魅惑のドレスを身に纏っている。
そんな彼女の足元を彩るのが、アナのお気に入りで靴の王様と言われるMANOLO BLAHNIK(マノロ・ブラニク)の美しい靴たち。
その中でも、アナが20年以上履き続けているというクロス・ストラップ・サンダルは、『Callasli』という靴。
アナはこの靴を、様々なドレスに合うヌード・カラーで、少しヒールを高くして、アンクル・ストラップを外し、踵にスリングバッグを加え、特別にオーダーメイドしている。
そのため、このデザインはアナのイニシャルから”AW”と呼ばれているそう。

実はアナは20年以上、「マノロ・ブラニク以外の靴を履いた事は覚えていないし、見もしない。」と言うほど、マノロ・ブラニクの大ファンなのだ。

他にも故ダイアナ妃を始め、キャサリン妃、マドンナやリアーナなど世界のセレブをファンに持ち、大ヒットドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』の主人公キャリーが愛してやまない靴として紹介され、一躍有名となった。
2005年には映画『マリー・アントワネット』の靴デザインで、アカデミー賞最優秀衣装賞も受賞、世界中の女性を虜にした。
最近では、日本でもドラマ『せいせいするほど、愛してる』で紹介され、ファンが増えている。

MANOLO BLAHNIK (マノロ・ブラニク)
1942年スペインで生まれた、現在75歳のマノロ・ブラニク。
1965年までスイスのジュネーブ大学で建築学と文学を学び、その後休暇で訪れたパリに恋をしたため、ヴィンテージのお店で働きながら、パリでアートを学んだという。
1968年、ロンドンでバイヤーとして働きながら、Sunday timesでファッションのカメラマン、男性ファッション誌のライターとしても活躍し、ファッションの世界へ入っていった。

1970年、当時アメリカ版『ヴォーグ』の編集長をしていたダイアナ・ヴリーランドに出会う。
彼女に、自身で描いた作品のポートフォリオを見せる機会があり、マノロ・ブラニクの人生は一変した。
マノロの描く靴に見惚れた元編集長ダイアナ・ヴリーランドから、「あなたの描く靴は素晴らしい、靴職人になりなさい。」とアドバイスを受け、マノロ・ブラニクは靴職人の下で学ぶ事を決意。
彼の才能は驚くほど速く開花した。
コレクションのために靴をデザインしたり、1973年にはロンドンに自身の名前のブティックを開いた。

その後コレクションやメディアから離れることなく、常に第一線を走り続けるマノロ・ブラニク。
昨年2017年には、自身のドキュメンタリー映画『マノロ・ブラニク トカゲに靴を作った少年』が上映された。
*興味がある人は、NETFLIXで見ることができる。
自然に影響を受けた、鮮やかで際立つものから、パステルカラーを使ったスイーツような靴まで本当にアートを見ているよう。
その上「走れちゃうヒール」と言われるほど、履き心地も良いが秘訣。
下の写真は2018年の新作で、ヒールがない少しカジュアルなデザインも登場。

彼のコレクションや映画に使用された靴を実際に見れる『Manolo Blahnik: The Art of Shoes』展が現在カナダのトロントで開催中。
店頭やオンラインでは、決して見ることの出来ない限定デザインばかりなので、もし機会があれば世界一の彼のアートを直接、若しくはウェブサイトで見たら、あなたも彼の虜になるだろう。
『Manolo Blahnik: The Art of Shoes』5/16/2018-1/6/2019まで開催予定
バータ靴博物館Bata Shoe Museum
所在地: 327 Bloor St W, Toronto, ON M5S 1W7 カナダ
ウェブサイト:http://www.batashoemuseum.ca/
