ロサンゼルスを拠点にスニーカーのカスタマイザーとして活動する、Dominic Chambrone(ドミニク・シャブロン)をご存じだろうか?

今スニーカー界で最も注目される人物で、スニーカーをDecon/Recon(解体/再構築)する、つまりリメイクを得意とする32歳。

自身を2006年頃から『The Shoe Surgeon(スニーカーの外科医)』と名乗り、ロサンゼルス・ニューヨーク・ロンドン・トロントなどで活躍中だ。

http://www.soledxb.com/allarticles/2017/1/25/tsftpjwrypu5jc3ub5o4chga5iupp3

なぜスニーカー外科医となったのか?

小さい頃から、人と違う事をするのが好きだったドミニクは、自身が物づくりに興味があると自覚していたという。

高校の頃は、すごくシャイで社交的でもなかったという彼を変えたのが、当時カリフォルニアの若者を虜にしていた、スニーカーだったそうだ。

1985年のオリジナルAir Jordan 1を履いて学校に行ったところ、みんなに「お前のスニーカーかっこいいじゃん!」と褒められ、スニーカーを通して友達ができたり人とコミュニケーションを取る事に喜びを感じたという。

それから、AJ1を履いていないと「ダサい」と言われる程にAir Jordan 1が益々ブームとなった時、みんなが同じ靴を履き始めて、徐々に彼は特別感を失っていった。

そこで、自身のAJ1をスプレー・ペイントでカモフラージュ柄にしたことがきっかけで、スニーカーのリメイクに没頭したという。

その後、4~5年程、靴の修理屋で見習いとして働き、1年はドレス・シューズ作りにも携わったというものの、ほぼ独学でスニーカーの外科医となった、すごい職人なのだ。

https://surgeon-studios.myshopify.com/pages/developments-partnerships

スニーカー界でどうやってビジネスを成功させたのか?

彼は常にオリジナリティーを求め、素材に拘り抜いて世界に一つだけの優れたスニーカーを作り上げる事がモットー。

お客さんのニーズに応えるために、街中で歩いている人のジャケットを購入する事もあったとか。

リメイクしたスニーカーの写真や動画をネットに投稿して以来、フォロワーが急激に増え、Justin Bieber(ジャスティン・ビーバー)やWill.i.am(ウィル・アイアム)からも、カスタマイズを依頼されたほど。

それをきっかけに、度々メディアでも取り上げられるようになり、世界中のセレブやファション業界でも彼の名を知られるようになった。

https://shoesurgeonshoeschool.com/

彼のカスタマイズ・スニーカーの製造工程の動画で、リメイクを学んでいるスニーカー愛好家も多いとか。

そして実際に靴のカスタマイザーとして、生計を立てている人も増えているのだ。

彼は この新しいビジネスを世界に広げようと、ロサンゼルスを始めロンドンやトロントなどにも出向き、カスタマイズ・スニーカーの短期クラスを開講している。
現在予約が可能なクラスは:

ニューヨーク:9月6日~9日  Air Jordan 1のカスタマイズ・クラス
ロサンゼルス:10月18日~21日 Air Jordan 3

4日間の受講料は、3000ドル(約33万円)。

スニーカー/必要な道具やマテリアル/ランチ&飲み物が、料金に含まれている。

実際のクラスの様子  https://shoesurgeonshoeschool.com/

「ナイキのスニーカーのリメイクに30万円も?」と思う人もいるかもしれない。

もっと安くリメイクをしてくれる靴屋さんは世界中にあるかもしれないが、ドミニク・シャブロンが手掛ける『The Shoe Surgeon』のロゴ(ドクロ・マーク)が入ったナイキのカスタマイズ・スニーカーは、上質で自分だけのカスタマイズに特別感がある」と何十万、数百万円も支払うニーズがあるのだ。

確かにそれほど、カッコいい。

https://shoesurgeonshoeschool.com/

そうなると、ルイヴィトンやグッチのスニーカーと同じくらいの値段、若しくはラグジュアリー・ブランドより高いスニーカーのリメイク・ブランドを、ドミニクが32歳という若さで築き上げた事になる。

ドミニクの『The Shoe Surgeon』は、スニーカー・ブームの今、知っておきたいHotなビジネスなのだ。