パリでは毎年コレクションが行われ、数々の流行の発信地となり続けているフランス。

そんなフランスの若者の間で人気なのが古着ショップである。そこでは人に着られることのなくなった服が再度人の手に渡り生かされる仕組みができていた。

日本にも上陸したKILO SHOPとは

オシャレさんの間でKILO SHOP(キロショップ)と聞けばどんなお店か大体想像が付くのではないだろうか。服に単体の値段や枚数で価格をつけるのではなく、そのアイテムの重さによって値段が変わるというもの。

日本にもある古着屋さんだが、実はこのお店フランスが発祥なのである。フランス以外ではギリシャとオランダに1店舗ずつと、あとは日本にしか上陸していない当店。

パリのマレ地区にあるお店ではKILO SHOP KAWAII(可愛い)と看板に書いてあるほど日本の文化とも繋がりがありそうだ。

出典:http://www.idfutees.com/A-faire/Shopping/Mode-et-createurs/Kiloshop

KILO SHOPのシステム

“CHOISISSEZ , PESEZ ,EMPORTEZ” 〜選んで、量って、買う〜 をコンセプトとし、その面白い仕組みと安さが人気。

全商品がカラータグで色分けをされており、気に入った商品があれば店内にある計量器で重さを量り、服についているカラータグの色から値段を計算することができる。

出典:https://fabulousyouparisblog.com/2014/02/03/the-kilo-shop-heavy-weight-vintage-champion-of-paris/

インスタグラムではキロショップのスタッフが組んだコーディネートを披露。記載された重さと値段は購入のヒントに。

日本の店舗

日本では東京と横浜に店を構えている。200㎡の店内に常時1万点を超える商品が並んでいるそう。

全てクリーニングされた古着は週に複数回入荷され、品揃えも豊富。

古着が環境に優しい理由

ジーンズを1本作るのに実は8000Lもの水を使用していることを知っているだろうか。

これが1店舗ならず全世界で毎シーズン新作が作られているとなるとそれだけで想像もできない量の水が消費されていることになる。

また、毛皮や革製品には生きた動物が使われ、服を作るということが環境にどれだけの影響を与えているかが伺える。

EUREKA(ウーレカ)とは

そんなキロショップが参考にし、影響をうけているリサイクル業者がEUREKA(ウーレカ)である。

EUREKAとは、ヴィンテージ愛好家であったBernard Graf(ベルナード・グラフ)によって40年以上前に立ち上げられたリサイクル業者である。

フランスのルーアン地方に24,000㎡もの広大な敷地面積を要した倉庫を持ち、事業を行っている。現在EUREKAでは1000万点以上のヴィンテージの衣類やアクセサリーを扱っているそう。

古着回収から販売までの流れ

人々が着なくなった洋服はリサイクルボックスにて回収される。ボックスに入れられた古着はトラックで工場へと運ばれ、そこから世界中にある倉庫へと送られる。

EUREKAのバイヤーは各地の倉庫へ出向き、そこから厳選したものを選び、自分たちの持つ倉庫へと移動させる。そこで必要なものは縫製するなどして状態を保ち、再び店舗で販売するのである。その循環によって服は何度も再生し、様々な人々に着てもらうことができるのだ。

EUREKAでは収集したアイテムを100%無駄なく使用することで、5大陸での環境保全に協力している。そして、トレンドを掴んだバイヤーによって選ばれたアイテムは顧客の様々な要望に適応することができる。

そしてEUREKAは最後にこう告げる、「ファッションとは石油の次に世界で最も汚染された産業である」と。

古着はデザインや安価な値段が若者を中心に人気である。

しかしそれ以前に、我々が古着を買うということは環境のことを考え行動する一歩にもなり得るのだろう。