Supureme (シュプリーム)は今や、メンズストリートブランドの中でも人気の衰えない代表的なブランドの一つだ。
店舗も品数も決して多いわけではないが熱狂的なファンやコレクターが後を絶たない。毎回の新商品発売日には店頭へ並び、購入した商品をネットで再販する者も少なくないだろう。

記憶に新しいシュプリーム×ルイヴィトンのように、特に価値が付きネット上でも人気になるアイテムはコラボレーション物が多い。ルイヴィトンといえば、新メンズアートディレクター、ヴァージル・アブローのデビューとなったSS19ショーの後、ショーで配られたTシャツがリセールサイト(二次流通市場)にて約2000ドルで再販されていた、というほどプレミア価値が付いていた。

このように、個人がオンラインで物を売り買いする機会が増加し、近年リセールサイトの利用は上昇中である。リセールサイトといっても、ebay(イーベイ)のような広範囲なジャンルのアイテムを取り扱うプラットフォームではなく、ファッション関連商品に特化した人気のリセールサイトを3つ紹介しよう。

Grailed(グレイルド)

メンズアイテムを専門に取り扱うマーケットプレイス。サイトでは、プレミア価値の高く付くアイテムよりも日常的に使えるトレンドなアイテムを中心にキュレーションしているようだ。文頭で紹介した、ヴァージル氏によるルイヴィトンSS19のTシャツも、このサイト上で再販されていた。

誰もがサイトに商品をポストすることができるが、全ての投稿は一度グレイルドのスタッフによって確認され商品状態をもとに、4つのカテゴリーに振り分けられる。

状態がとても良いラグジュアリーブランド(サンローランやラフシモンズなど)は『Grailed』、シュプリームやエアジョーダンなどのストリートブランドの最新のアイテムたちは『Hype』、ブルネロクチネッリやトムフォードなど紳士服ブランドは『Sartorial』、その他のブランドやヴィンテージ物などは『Core』にジャンルわけされる。

利用者はこのカテゴリーから自分の探しているものを簡単に見つけることができ、さらにグレイルドは、デザイナーやブランドについての記事を掲載することで、もともとファッション知識が豊富な利用者が多い中、さらにブランドに対して関心を深めてもらうことを目的としている。

そんな中グレイルドが2017年で最も高い人気を誇ったブランドTOP30を発表した。

メンズコレクターの人気が根強く続く、シュプリームが堂々の1位、続いて2位にアディダス、3位にはナイキという結果だ。

1年を通し、秋冬シーズンがより人気なブランドだったり、アップダウンのあるブランドも少なくないが、トップ3はシーズン関係なく人気は衰えないようだ。

ランキングの詳細はこちらからチェック Grailed

https://process.fs.grailed.com/AJdAgnqCST4iPtnUxiGtTz/cache=expiry:max/rotate=deg:exif/resize=width:2400,fit:crop/output=quality:70/compress/NJipnIbwRaa6SmaSofI5

その他、ウィメンズも取り扱う再販サイトといえばフランス発Vestiaire Collective (ヴェスティエール コレクティブ)や アメリカ発のThe Real Real(ザ リアルリアル)の利用者も急増している。

Vestiaire Collective(ヴェスティエール コレクティブ)

ヴェスティエールコレクティブは2009年にフランスを拠点とし始まったリセールサイト。こちらは女性の利用者の方が多いようで、ヴィンテージシャネルやエルメスなども多く取り扱う。

オンラインサイトからラグジュアリーブランドの中古や決して安くはない、ヴィンテージアイテムを買うことに抵抗のある人もいるかもしれないが、このサイトもグレイルド同様、すべての投稿がヴェスティエールのスタッフによって確認される。

一度、売買が成立した商品は、売り手によってヴェスティエール本社に送られ、検品をされてから買い手の元へ届く。手数料が20〜40%と、少しかかるが商品の郵送もすべてサイト側が手配してくれるので、その手間が省けることを考慮すれば手数料はそれほど高くないような。。

サイトはこちら:https://www.vestiairecollective.com/​​​​​​​

The Real Real(ザ リアルリアル)

こちらはアメリカ発の再販サイト。スタート当時から、ラグジュアリーブランドのライフサイクルを重要と考えており、中古、ヴィンテージ商品など、リサイクルを支持する客層に人気である。

また、リアルリアルの調査によると、同サイトで商品を売った利用者の多くは正規の最新ブランドアイテムをより積極的に購入する傾向にあるという。

中古商品を取り扱うサイトの利用者は、低価格の商品ばかりを探しているのではなく同時に、ブランドの最新情報もチェックしているということだ。

少なからず、ブランド自体にも同サイト利用者のショッピング傾向は影響があることが明らかになり、グッチやサンローランなどが所属する大手ラグジュアリーブランドグループ、ケリングはリアルリアルと提携し、新しいトレンドの予想や同サイトで人気な商品、または、リバイバルが予想されそうな商品などの情報を共有することができればブランドの利益にも繋がるであろうと協力を進めている。

サイトはこちら:https://www.therealreal.com/​​​​​​​

ブランドもスルーはできない存在に

かつては、ブランドイメージや自身の売り上げが損なわれるなど、ブランドに与えるダメージが目立つ再販サイトであったが、上記で紹介した、どのリセールマーケットも売り上げが上昇しておりブランド側も無視できない存在となってきている。

ケリンググループがリアルリアルと提携を始めているように、このままブランド、特にラグジュアリーとリセールサイトとの協力が進めば、ブランド側に有効なデータがより伝わることは間違いないだろう。

一方、限られた品数やコラボアイテムが主なレアアイテムとされるストリートブランドにとっては、リセールサイトがブランドのストーリーテリングとしての役割をする場合もあるだろう。サイト利用者は目的のアイテム探す、売る以外に、ブランドについての知識や最新情報も発見できるというわけだ。

著しい成長を見せるリセールマーケットの存在を、どのカテゴリーのブランドもこれ以上軽視することはできないだろう。