8月16日木曜日、アメリカの大手出版会社であるコンデナスト社が「今後VOGUEでは、18歳未満のモデルを採用しない」と正式に発表した。
なぜ今になって、そしてなぜモデルの年齢スタンダードを18歳以上としたのだろうか?

もうカイア・ガーバーをVOGUE(米)で見る事はない?
90年代のスーパーモデルとして活躍したシンディ・クロフォードと実業家ランド・ガーバーの愛娘、カイア・ガーバー。
2001年生まれ、現在16歳のカイアは、母親に連れられ何と5歳でレッド・カーペット・デビュー。
13歳でモデル・エージェンシーのIMGと契約。
15歳でマークジェイコブスのフレグランス『デイジー』で、ミューズ(女神/主役のモデル)として起用された。
2018年春夏シーズン、ニューヨークのカルバン・クラインでランウェイ・デビューを果たし、18ブランドものランウェイに登場、今最もホットな『イット・モデル(旬なモデル)』となった。
そんな彼女も18歳になるまでは、もうVOGUE誌では採用されない。

なぜ年齢制限を設定したのか?
これには大きく分けて2つの理由がある。
一つは、モデル業界の過度のダイエットが体に負担が大きく、最悪の場合死に繋がるという事実だ。
その結果近年”細すぎる”モデルは採用しないなどと、ニュースにもなった。
その上最近は、プラス・サイズ・モデル採用の枠も出てきたが、やはり多くのモデルが痩せるために、様々なダイエットをしている。
ファッション・ショー業界では、若くて背が高く細い人材を常に求めてきた。
今でもモデル事務所の中には、モデルが2.5キロ体重を落とす毎に、お給料と別に20ドルが貰えるなどの制度が存在するという。
特に若くダイエットに関して正確な知識がないまま、ただ”痩せる薬”を服用したり、食べないという過度のダイエットが問題視されている。
そして撮影では拘束時間も長く、体力的にも学業にも支障がでる懸念もあるのだ。

2つ目は、セクシャルハラスメントの問題
世界中で#Me too ムーブメントが、ハリウッドスターを始め、モデル業界でも広がっている。
本来の表記は「#MeToo」で、セクシャルハラスメントや性的暴行の被害体験を告白し共有する際に、ソーシャル・ネットワーキング・サービスで使用されるSNS用語。
モデル業界でも大きな問題として取り上げられ、性別関係なく、特に若くてお金や知名度がない時に、露出度が高い衣装を着させられ、むやみやたらに体を触られるなど、キラキラ輝くモデル業界の闇が近年よりSNSで明らかとなった。

この#Me too ムーブメントによって、多くの企業の職場環境の改善が求められている。
『VOGUE』が先頭に立って、他の多くの企業が今後、職場環境をより良く変えていく動きが広がって欲しい。
そしてモデルを始め少しでも、職場でのストレスや、職場での犠牲者が減る事を祈っている。