英ブランド「STELLA McCARTNEY(ステラマッカートニー)」は、「adidas(アディダス)」とコラボレーションした史上初となるベジタリアンレザー使用の「スタンスミス」を発表。
名作スニーカー「スタンスミス」がステラマッカートニーのサステナビリティな要素を取り入れつつ、モダンにアップデートした。
気になるデザインや、今回使用されたベジタリアンレザーについても紹介したい。
ベジタリアンレザー使用、スタイリッシュな「ステラ #StanSmith」
長年愛され続けている名作スニーカー「スタンスミス」にステラらしいエッセンスをプラスし、スタイリッシュに仕上げた一足。
素材は、レザーのかわりに再生ポリエステルを100%使用している。
サイドには、アイコニックなスリーストライプスのかわりに「ステラマッカートニー」を象徴するパーフォレーションが施されたステラスターを配した。
右のシュータン部分にはオリジナルと同様にスタンスミスの顔が描かれており、左のシュータンにはステラマッカートニー本人のポートレートとサインがデザインされている。
かかとにはコラボレーションの証である「アディダス」「ステラマッカートニー」両ブランドのロゴがあしらわれている。ブラックレザーに見えるものの、ここにも当然再生ポリエステルが使用されている。
白いボディに映えるバーガンディーとブルーのストライプバンドが、よりスタイリッシュな雰囲気をプラス。
サイド部分にも、ソールの「アディダス」ロゴの上にさりげなく「ステラマッカートニー」のロゴが。
メンズ・ウィメンズともに展開する「ステラ #StanSmith」。2018年9月10日(月)より、全国のステラマッカートニーストアと一部専門店・百貨店、公式オンラインストアにて発売される。
直営店及び公式HPで、すでに先行予約も開始。売切れ必至なアイテムだけに、気になる方は早めにチェックして。
ベジタリアンブランド「ステラマッカートニー」の取り組み
厳格なベジタリアンの両親のもとで育ち(両親はご存知ザ・ビートルズのポール・マッカートニーと写真家のリンダ)、自身もベジタリアンを公言しているステラマッカートニー。
そんなステラのブランド「ステラマッカートニー」も、ベジタリアンブランドとしてレザー、ファー、羽毛を一切使用しない事で知られている。
今でこそサステナビリティという言葉も一般化し、レザーやファーを使用しないブランドも多くなってきたが、「ステラマッカートニー」創設時の2001年当時は、レザーやファーを使わない高級ファッションブランドの構築は不可能だと考えられていた。
そんな中ステラはファーフリーファーやベジタリアンレザーを使用し成功を収め、サステナビリティとファッションが両立することを証明してきた。
「ステラマッカートニー」のベジタリアンレザー
今回の「ステラ #StanSmith」でも使用されたベジタリアンレザー。リアルレザーとの違いはどこにあるのだろうか。
「ステラマッカートニー」のベジタリアンレザーは、一見するとリアルレザーと見まがうほど美しいことでも知られている。リアルレザーのようにしなやかで手触りもよく、それでいてお手入れも簡単。
ブランドのアイコニックなバッグ「ファラベラ」にもベジタリアンレザーが使用されている。

「ステラマッカートニー」はベジタリアンレザーという選択肢を示すことで、ラグジュアリーブランドが美しく持続可能で、かつ動物実験を行わない方法で製品を作り出せることを実証している。
環境損益計算書(EP&L)で算出されたデータによれば、たとえばブラジル産カーフレザー(リアルレザー)の代わりに再生ポリエステル(ベジタリアンレザー)を使うことで、環境への影響を24分の1に抑えることができるという。
リアルレザーの使用は、動物そのものへの影響はもちろんのこと、畜産農業に関連した土地利用や温室効果ガス排出の他、製革工場で必要とされるエネルギーと水の消費なども挙げられる。
たとえばレザー製品の輸出が多いバングラデシュでは、革なめし工場が密集する首都ダッカ近郊のハザーリバーグで働く労働者たちが有害な化学物質のせいで病気にかかったり、近くの川が汚染されたりする事が深刻な問題になっているのだ。
「ステラマッカートニー」だけでなく、コラボレーション相手の「アディダス」も今年、“すべての靴と衣服にリサイクルされた再生プラスチックだけを使用する”という新しい方針を明らかにしたばかり。2024年を目標に、未使用プラスチックの使用を取りやめる計画だという。
今回の「ステラ #StanSmith」は、両ブランドの環境問題に対する姿勢があらわれた一足とも言えるだろう。
最後に、ステラマッカートニーが2017年VOGUEに語った、ベジタリアンレザーについての言葉を記したい。
「お客様が『ファラベラ』バッグ、あるいはシューズでもいいですし、フェイクレザーのスカートでもいいのですが、本物のレザーではないことに気づかずに購入してくださることが、私にとってこれ以上ない褒め言葉のひとつです。そういうときにこそ本当にセクシーになるのだと思います。リアルレザーに代わるものをただ提供しているのではなく、素晴らしい商品を作り出しているのですから。」