今ロンドンのおしゃれな若者の間で、最も注目されているといっても過言では無い、オンラインラジオ局のNTS Radio(エヌティーエス ラジオ)

新しい流行が常に生まれているヒップな場所イーストロンドンを本拠地に、LA、マンチェスター、上海を中心に、ベルリンや東京を含む世界30都市以上で放送されているミュージックチャンネルだ。

最近ではラジオ放送のみにとどまらず、美術館やアートイベントとのコラボやライブ配信を行っていたりと、活動の幅を広げている。

音楽、カルチャー、ファッション好きの人々から支持されるNTSの魅力とは一体何なのだろうか?

アンダーグラウンドミュージックシーンの未来を支える 

NTSでは毎日ホストを迎え、ミュージックチャンネルのプログラムが組まれている。

ホストとなるDJはジェフ・ミルズなどの世界的に有名なDJと呼ばれる存在だけでは無く、その多くはこれからキャリアを積みたいと考えている若者や、今後要注目となるようなDJも多い。

いわば今後成功したいと考えている、DJの登竜門的存在となっている。

今までロンドンのアンダーグラウンドミュージックシーンと言えば、BOILER ROOM(ボイラー ルーム)が牽引していたが、NTSは、アンダーグラウンドに加えストリートシーンとの結び付きが強い為、今のロンドンの雰囲気とよりマッチしていると言われている。

更に注目すべきなのは、先日発表したばかりの若手支援プログラムだ。

内容は1年間のアーティスト開発プログラムで、最大8名のミュージシャン、バンド、DJのキャリアを支援するものだ。

当選者は、無料のオーディオ機器やソフトウェアの支給に加え、レコーディングやスタジオの提供、NTS内での番組が持てる他、世界での公演のチャンス、音楽業界とのコネクションを支援してもらえるという、音楽を志す者には夢のようなプログラムとなっている。

アートシーンやローカルとの結びつき 

冒頭にも挙げたように、現在NTSは、ユニクロと協賛したイベント『Tate Lates」を、現代美術館のTate Modern(テート モダン)にて2016年より月の最終金曜日に定期的に開催している。

このイベントは入場無料、夜10時までの開催、コンテンポラリーダンスやアートのインスタレーションに加え、NTSが主導するDJにて音楽を楽しむ事が出来るとあって、多くの人々が押し寄せる。

アートと音楽が融合したイベントとして認知されており、若者の間で絶大な人気が定着しつつある。

また、5月に開催された坂本龍一がキュレーションを務めるイベント「MODE」では、その様子をライブ配信し、成功を収めた。

このように、海外アートシーンだけでなく、日本企業やアーティストの結び付きも強く、世界的に注目度は高まってきている。

その他、最近ではロンドンの中で最も有名なカーニバルの一つである、「Notting Hill Carnival (ノッティング ヒル カーニバル)」でのブース協賛や、ローカルイベントとの結びつきも強い。

イーストロンドンの今を知るなら、NTSを聴くのが一番であると言って過言でも無い程、トレンドアイコン的存在のNTS。

ロンドンでは特に、ファッションだけでは無く、アート、カルチャーに関心が強い人々が多い為、上手くマッチし、人気を集めている。

最近では、オンラインラジオ局の枠を超え、アートやローカルと繋がり、コミュニティとしての役割も果たしつつある要注目の存在だ。

日本からもNTSのラジオ番組をチェックすることが出来るので、『今』のロンドンを聴いて、感じてみるのも良いかもしれない。