NEW WAVE, NEXT CORE: f5ve vol.3

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いま、時代に新しい波を起こすアーティストやクリエイターの“内側”に踏み込む連載企画「NEW WAVE, NEXT CORE」

彼ら彼女らがどのような景色を見て、何に揺さぶられ、どのような感覚を軸に世界を捉えているのか――その中心へと迫っていく。

流行やムーブメントは、常にひとりの“個”から始まる。次の潮流をつくる表現者のCOREには何が宿っているのか。

その起点を探りながら、これから生まれる新しい波の輪郭を読者とともに見つめていきたい。

第3回目に登場するのは、異彩を放つエネルギーで世界へと突き進むf5ve。

KAWAIIカルチャーを鮮やかにアップデートし、個性の異なる5人が共鳴し合うことで、唯一無二のジャンルを確立した彼女たち。

そのスタイルの裏にはどんな衝動があり、どんな“CORE”が息づいているのか。彼女らの言葉から、その輪郭を紐解いていく。

着用:threetimes

“次に来る”のは、他でもない私たち自身

「これから来ると思うものを教えてください」。そう問いかけると、リーダーのKAEDEは迷いのない眼差しで「自分たち自身だ」と言い切った。

KAEDE: 私はやっぱりこれからf5veが来ると思います。リーダーとして声を大にして言いたい。私たちは今の流行に囚われず、“ガールズグループ”という概念をぶち壊そうとしているから。自分たちの素をさらけ出し、リアリティを持って突き進む面白さ。それが今の時代、逆に新しいと感じてもらえるはずです。

―― SNSの使い方やネットミームの作り方が非常に上手だなと感じます。

KAEDE: 海外のファンの方と話すと、音楽はもちろん、SNSを見て「何このグループ、面白い!」ってハマってくれる方が多いんです。最近は自分たちでも「これやってみたい」とアイデアを出しながら、f5veらしさを追求しています。自分たちのクリエイティブとSNSやネットミームを連動させる感覚には手応えを感じていますね。

着用:threetimes

 エッジとエレガンス ―― “f5ve VIBES”のファッション

彼女たちのスタイルは、1990年代から2000年代のリバイバルを通過しながらも、どこか未来的な「f5ve VIBES」へと昇華されている。この日彼女たちが身にまとっていたのは、最新の韓国ブランド。

RUI: 今日着ているみたいな、この「f5ve VIBES」なファッションが次に来ると思います。エッジが効いているけれど、どこかに可愛いエッセンスが入っている感じ。1990年〜2000年代のリバイバルを超越したスタイルを、私たちが体現しているんじゃないかな。数ヶ月後には、みんな黒にスタッズがいっぱい付いたアイテムを身につけたくなるはずです(笑)。

―― 衣装には、それぞれのパーソナリティも反映されていますか?

RUI: 基本的にはスタイリングしていただくんですけど、好みや個性は散りばめられています。今日もみんなそれぞれ合ってるよね。 MIYUUさんだったらレースやタイトなシルエットのエレガント担当、RURIさんはヒョウ柄が好きだし、私はポップな感じ。SAYAKAさんはファーのアウターですごくらしさが出てる。

KAEDE: 今日、5人中4人がファーを取り入れてるんですよ。お姉さんチームがファー担当だね(笑)。

SAYAKA: 私が個人的に来ると思うのは、映画『プラダを着た悪魔』のシーズン2! 私がファッションにハマったきっかけの作品なんです。メインキャストが続投するのも熱いし、コロナ禍を経て、みんなが「もっとファッションを楽しみたい!」という欲求が高まっている今、この映画がさらに火をつけてくれる気がします。本当に楽しみ。

着用:threetimes

“未完成の完成” ―― デジタル疲れへのカウンター

情報の解像度が高くなりすぎた現代。AIや完璧なCGが溢れる中で、彼女たちが提示するのは「未完成の完成」という逆説的な美学だ。

MIYUU: 私はちょっと角度が違って、「チープさ」が来ると思っています。f5veのスタイルにも通じるんですけど、平成っぽいどこかチープな質感って、一見「お金がかかってないのかな?」と思わせる。でも完成した瞬間、その未完成さが逆にオシャレに見える面白さがあるんです。

KAEDE: 今の時代、みんなデジタルに疲れてしまっていると思うんです。AIも発達して、完璧なCGもたくさんある。でもだからこそ、削ぎ落とされた未完成さが素敵だなと感じるようになって。最近だとiPod Touchで撮影したりもしています。

―― iPod Touchで!粗い画質が逆に新鮮に映りそうですね。

RUI: そうなんです! 充電とか秒でなくなるんですけど(笑)。

MIYUU: あえてiPodで撮った粗い画質の動画をそのままMVに乗せたり、TikTokもすごく小さなトイカメラで撮ったりしています。あえて完璧を求めない、テックの進化に対する逆行。これがテクノロジーに飽和した今の時代には、めちゃくちゃ刺さると思うんです。

着用:threetimes

J-POPを「世界共通言語」へ書き換える

世界を飛び回る彼女たちが見ているのは、日本国内の盛り上がりだけではない。海を越えた先で、J-POPというジャンルがかつてないほど「コア」に、そして熱狂的に受け入れられているという事実だ。

RURI: 私がこれから来ると確信しているのは、J-POPの波です。アメリカでパフォーマンスすることも多くなってきたのですが、日本語の歌詞を現地のファンの方が完璧に覚えて歌ってくださる。その光景を目の当たりにして「あ、これJ-POP来るな」と肌で感じました。

―― 過去のリバイバルではなく、現行のJ-POPとして?

RURI: 今の曲もそうですし、昭和の楽曲へのリスペクトも感じます。ファンイベントで海外のファンの方々と交流した時、私がYouTubeでカバーした松原みきさんの『真夜中のドア』がすごく良かった、と言ってもらえて。

KAEDE: 海外の方はすごくコアなところまで掘っていますよね。80年代のJ-POPを聴いている方もいたりと、私たちが「逆に教えて」と言いたくなるくらい詳しいんです。

RURI: 私たちがその勢いをさらに加速させて、「J-POPを世界に広めるんだ」という強い気持ちでいます。

着用:threetimes

―― 2026年に挑戦したいことはありますか?

RUI: DJです。自分が音楽をかける横で、メンバーが踊ってくれるステージを作るのが目標。f5veの楽曲のRUIリミックスをいっぱい流して、誰にもステージから降ろさせないくらい盛り上げたいです。

KAEDE: 私たちは仕事でアメリカによく行くので、バスにみんなで寝泊まりしてロードトリップしながらライブを回る、ということをやってみたいです。私たちは運転できないので、運転は運転手さんにお任せになっちゃいますけど(笑)。

RURI: 車中泊も狭い場所も、私たちは全然いけるよね。この前、空き時間にベッド2つ合わせて5人で「川の字」になって寝たもんね(笑)。

MIYUU: 私は、先月行ったアメリカのジョシュアツリーの影響が大きくて。初めてのロングドライブで星空を見て、山を登って。私、結構インドアだったんですけど変わりました。もっと外に出て、自然を感じて、地に足をつけて活動していきたい。

KAEDE: 次はアメリカの本物の岩でロッククライミングだね。

MIYUU: ……室内でいいかな、そこは(笑)。でも、高いところに登ったり、地球をダイレクトに感じたりする経験は、表現者としての“CORE”をより強くしてくれる気がします。

野望は世界へ。すべての夢は「f5ve」という波に繋がっている

着用:threetimes

―― 今後、行ってみたい国は?

RURI: スペインに行ってみたいです! スタッフさんが「一番好きな国」だと言っているのを聞いて、ご飯も美味しいし絶対行きたいなって。

SAYAKA: 私はフランス。パリコレなど、ヨーロッパのファッションウィークに呼ばれる存在になりたいです。あとはロサンゼルス。何度も行っていますが、いつも決まった場所ばかりなので、もっと新しいスポットを巡って、新しいことにどんどん挑戦したい。

KAEDE: 全部の話が繋がるんです。自分たちが頑張ってf5veを「これ、来てる!」っていう大きな波にすれば、海外にもたくさん行けるようになる。そうすれば、今やりたいって言ってる夢や挑戦も全部叶えられる。

着用:threetimes

そう語る彼女たちの瞳には、一切の迷いがなかった。

AIが描く完璧なビジュアルや、4K・8Kと高解像度化し続けるデジタルな日常。

そんな「正解だらけの時代」が今、もっとも求めているのは、iPodの荒い画質の中に宿るような、剥き出しの体温と不完全なノイズではないだろうか。

「5人で川の字になって寝る」という無邪気な連帯感と、「J-POPを世界に広める」という剥き出しの野心。

その両極端な質感を自在に行き来する彼女たちの姿は、計算し尽くされたトレンドよりもずっと鮮やかに、私たちの感覚をハックしていく。

f5veが巻き起こす波は、既存の境界線を軽やかに飛び越え、J-POPの新たな地図を描き直そうとしている。

時代が彼女たちに追いつくのではなく、彼女たちが新しい時代の解像度を決めていくのだ。

―― さて、最後は恒例のあの言葉で締めましょうか。2026年、世界を揺らすネクストトレンドは?

一同:せーの、「f5veです!」

衣装:threetimes
当日着用したのは、韓国発のthree times
ミニマルで洗練されたデザインに、計算されたシルエットとディテール。
海外セレブライクなラグジュアリー感を纏いながら、日常にも落とし込めるアイテムを提案する。

ブランドサイト

Featured Artist: f5ve
Brand: threetimes
Photographer: Rikuto Uchiumi
Video : Tasuku Ito
Stylist: RUI [RETUN REP]
Make : MIYABI
Hair: Shota Miyashita
Interview / Text : Kazuma Tsuda
Direction / Video edit:minami

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