昨年イギリス国内における「2017年 モデル・オブ・ザ・イヤー」を獲得し、雑誌の表紙やキャンペーンに、今年にかけて目覚ましく活躍したイギリス人モデルのAdwoa Aboah(アジョワ・アボアー)。
一度見たら忘れない個性的で美しいルックスに加え、女性をサポートする団体を運営していたりとモデル以外の活動も行っているアジョワ。
ファッション界に改革をもたらしたと言われる注目のモデル、アジョワの素顔と魅力、その隠された壮絶でセンセーショナルな過去に迫る。
ファッションのハイブリッド、アジョワのモデルキャリア
アジョワは1992年生まれ、イギリスのウエストロンドンで育った生粋のイギリス人モデルだ。
母親はアーティストマネージメントを行う会社の経営者、父親はロケハン会社のオーナーとファッション業界に精通した両親を持ち、幼い頃からファッションを身近に感じてきたアジョワ。 黒人と白人の両方のルーツを持つ美しいルックス、そばかすのある肌にバズカットの髪型は、ユニークな美しさを放ち、インデペンデントな存在のモデルとしてデビュー。
また、イギリスのブリティッシュ・ファッション・カウンシルが発表する「ファッション・アワード 2017 」にて、モデルに与えられる賞のモデル オブ ザ イヤーにノミネートされ、見事受賞した経歴を持つなど、名の通り人気の売れっ子モデルだ。 そんなファッションのハイブリッドのアジョワが一躍有名になったきっかけは、2017年12月号のBritish Vogue(ブリティッシュ ヴォーグ)の表紙を飾ったことだ。 この号は新編集長となったEdward Enninful(エドワード・エニンフル)が自らスタイリングを行い、フォトグラファーのSteven Meisel(スティーヴン・マイゼル)が25年ぶりに表紙を撮影した記念すべき伝説的な号であった。
つまり、そのカバーモデルに選ばれたことはモデルとしてとても名誉なことであり、キャリアを後押しするきっかけとなった。 その後も、英国エリザベス女王が出席した初のキャットウォークショーとしても話題となったRichard Quinn(リチャード・クイン)のショーに出演、Burberry(バーバリー)のキャンペーンのモデルに選ばれたりと、勢いは止まらなかった。 撮影に、キャンペーンに、ファッションウィークにと、彼女の顔を見る機会は確実に増え、人気モデルとしての地位を確実に築いていった。
壮絶でセンセーショナルな過去を乗り越えて
全てが順調満帆に見える一方で、アジョワは薬物中毒と抑うつ状態に悩んだ、壮絶でセンセーショナルな過去を告白している。 10代前半からドラッグを経験し、段々と中毒状態に陥っていったアジョワは、薬物リハビリ施設に入所するも使用をなかなか止められず、友人を失った悲しみや、容姿で自身を判断されるモデルという職業へのジレンマと共に、うつ状態へと陥っていった。
その後、薬物の多量摂取による自殺を図り、数日間生死の間を彷徨った後、精神病院へと入院し数ヶ月間にも渡る長く辛いリハビリを経験。 リハビリの過程で、家族の絆の大切さや有り難みを再確認した彼女は、家族の力を借りながら少しづつ社会復帰を行っていく良好な結果となった。
そんな壮絶な過去を乗り越え、アジョワが思い付いたのは、同じように悩みを抱える女性を支援し、サポートする活動を行うことだった。 2015年、親友のHolly Goreと共にGurls Talk(ガールズ トーク)という名の元に、メンタルヘルス、セクシュアリティ、身体イメージの悩みまで多様性に富み、女性をサポートするオンラインコミュニティを設立。 同コミュニティのインスタグラムのフォロワー数は現在22万人以上にも及び、その活動は着実に広がっている。
活動家アジョワからのメッセージ
ガールズ トークの活動の他にも、最近では公演やトークセッションなど、ゲストテラーとして招かれる機会も増えたアボワ。 自身の経験を通し得た意見やアイディアを基に、現在は同じように悩みを抱える人々をサポートする活動を積極的に行っている。
そんなアボワは自身の活動について、以下のようにコメントしている。
“I am lucky enough to spend a lot of time meeting young women, and hearing from them how my personal journey has helped to give them the strength to talk and be open about their own experiences. It really means a lot to me,”
「私は若い女性たちと出会うことに多くの時間を費やしたり、私の個人的な旅(経験)がどのように彼女たちに自身の経験について力強く、オープンに話す手助けになっているかを聞けてラッキーなの。それは本当に私にとって沢山の意味がある。」
(ガールズ トークや一連の活動における、インタビューから)