https://www.newhanfu.com/2019-latest-updates-on-the-hanfu-movement.html

今、中国を中心にHanfu Movement(漢服復興運動)が高まっている。元々は2003年に、ある団体が漢民族の衣装を着て、各地を回り伝統を忘れずに、民族の誇りを取り戻そうという趣旨で始まった。

最近では、SNSを通して「衣装が可愛い」と言う理由で着始めた若者や、「愛国心を大切に」と言う深い意味を持った人まで、約200万人が北京大学キャンパスを始め、中国各地で開催されるイベントに参加している。中国の歴史映画を見てタイムスリップした様な感覚と、伝統的な美しさ、珍しさが世界でも話題となり、海外メディアでは、これを”新しいコスプレ”として世界からも漢服の注文が増えている。

https://www.businessoffashion.com/articles/news-analysis/hanfu-movement-sweeps-china-in-revival-of-traditional-culture

チャイナドレスと漢服の違い

日本を始め世界でも中国の伝統衣装は、チャイナドレスというイメージが強い。もちろん実際に中国でもチャイナドレスが”正装”として捉えられている。しかし実はチャイナドレスとは、清朝時代に支配者層である「満州族」という一部の服装だったようだ。一方漢民族は、中国大陸、台湾、シンガポールで特に多く、中国大陸の人口の94%(人類の20%)を占める大多数の民族を指す。そのため国民の大多数である漢民族が、中国の”本当の伝統”として受け継ぐ必要があるという声が、「漢服復興運動」に繋がった。

そして今の中国では、タイトなチャイナドレスより柔軟でプラスサイズにも対応した漢服が世代を超えて人気が高まっている。特に若者の間では、パステルカラーやデザインをアレンジしてSNSに載せたり、着心地が良いからとイベントだけでなく日常生活でも漢服を取り入れている若者も少なくないようだ。

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中国で最も人気が高いサイトの一つである『Weibo』とは

ツイッターとフェイスブックの要素を兼ね備えた中国最大のSNS『Weibo』は、2016年の段階で全世界で6億人以上のユーザーを抱えるサイトである。

その中でも特に人気があるユーザー、Nanzhi999は110万人のフォロワーを抱え、彼が女性に変身して漢服を着たことがニュースになるほど、若者への影響力が高い。彼を見て、漢服を着だした若者も多く、漢服を現在風にアレンジしたり、中国の歴史ある建物や庭園などを背景に写真を撮影してSNSに投稿する人が激増している。

https://www.abc.net.au/news/2019-09-20/hanfu-movement-sweeps-china-in-revival-of-traditional-culture/11532586

中国の愛国心がファッションのトレンドを動かす

いまだ解決の兆しが見えない中国と香港問題。最近では、アメリカとの貿易関税問題も抱える中国でだが、その中で国内の愛国心は益々高まっている。

海外ブランドではなく、国内ブランドへと消費行動までに変化が見られ、ファッション業界も世界政治や歴史といった問題がこんなにも中国の消費者行動に影響を及ぼすとは、想像もしてなかっただろう。そのため今世界は、中国の消費行動に特に敏感で、中国の若者で話題になれば、すぐに世界へと広がっていく。

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