「海外セレブのブランドは失敗する」の法則を覆したヴィクトリア

海外セレブがファッションブランドをプロデュースするケースは珍しくない。

Beyoncé(ビヨンセ)やGwen Stefani(グウェン・ステファニー)は自身のファッションブランドを立ち上げた歌手の一例であるが、いずれも芳しい結果を残せていない。

海外セレブによるファッションブランドは失敗に終わる場合が多いのだ。

そんな中、Victoria Beckham(ヴィクトリア・ベッカム)はデザイナーとして成功した数少ないセレブの一人である。

元Spice Girls(スパイス・ガールズ)のメンバーでありサッカー選手の妻として世界中に名を馳せていたヴィクトリアは、2008年に自身のファッションブランドを立ち上げた。

それから10年も経たないうちに、デザイナーとしてのヴィクトリアは多くの著名なファッションデザイナーに引けを取らない大物へと成長した。

シンガーからデザイナーに転身

2017年10月12日にニューヨークで開かれたヴォーグのファッション会議に出席したヴィクトリアは、ブランド立ち上げの当時を振り返り以下のように述べた。

「人々が私に対して先入観を持っていたことは十分承知していた。 私はファッション業界について何も知らなかった。今こうしてファッションについての知識を持っていて、ブランドがうまくいっていることを当時の自分が知っていたら、それほど不安に思うことはなかっただろう。」

ヴィクトリアのファッションブランドは彼女ともう2人のメンバーだけで始まった。

初期のファッションショーは、ヴィクトリアが「小さなキャットウォーク」と表現しているように、たった2人のモデルによる小さなプレゼンテーションであった。

「コレクションにたった1人しか来なかったこともあった。それも英語を話さない人が。」と彼女は笑った。 「でも、私は気にしなかった。なぜならファッションに言語は関係ないから。」

成功のカギはクオリティの追求

「私は何事も急ぎたくないの。上手くいくという確証が得られるまでは始めたくないのよ。だって、もし失敗したら頑張った意味がないでしょう。」

Target(ターゲット)とのコラボレーションからEstée Lauder(エスティーローダー)とのパートナーシップまで、これまでヴィクトリアが取り組んできたさまざまなプロジェクトの成功の裏には、彼女のクオリティに対して妥協を許さない姿勢があった。

「私は開発プロセスが本当に好き。パッケージについてあれこれ話し合うのが好きなんだけど、夫は私が箱なんかに夢中になっているのが理解できないみたい。でも、開発って本当に面白いことだと思うの。」とメイクアップラインの開発について振り返った。

ブランドが大きくなった今でもヴィクトリアの開発チームは非常に小さく、彼女は細部まで監修しているという。

「他の著名人の多くは、企業とライセンス契約を結んでいると思うの。他の人の製品に自分の名前を付けているのよ。」とヴィクトリアは語る。

「それは決して間違っていることだとは思わないけど、私にとっては適したやり方ではなかった。私はもう歌手ではないし、女優でもない。私はブランドの立ち上げにすべてを注ぎ込んだの。デザイナーとして新しいキャリアをスタートし、新しいビジョンを持っていた。デザイナー業に集中するために、その分野の人とだけ関わってきたの。」

ヴィクトリアが他の海外セレブデザイナーと一線を画してきた理由は、彼女が過去のキャリアに執着せず、デザイナー業に情熱を注いできたからなのだ。

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