ジャンルやスタイルを問わず、ますますスニーカー人気が高まっている昨今。ランウェイでも、ドレッシーなウェアにスニーカーを合わせて“ハズし”たルックが多く登場している。
そんな中、今最も注目を集めているのが「ダッドスニーカー」だ。“休日に父親が履くような”というネーミングの由来からもわかるように、野暮ったく、ちょっとダサいデザインが特徴的。
“ちょいダサ”のダッドスニーカーはなぜ世界中で人気なのか。その理由と、注目すべきダッドスニーカーを紹介しよう。
90年代リバイバルブームの波

インパクトのあるロゴがでかでかとあしらわれたトレーナーや、ダボっとしたシルエットのビッグアウター、サイドラインのパンツなど、2017年は“90年代リバイバルファッション”が大きなトレンドになった。
いずれのアイテムにも共通して言えるのが、古臭く(よく言えばレトロ)、そしてちょっとダサいということ。
きっちり仕立てたオーダーメイドのスーツであれば、誰が着ても格好よく着こなせるだろう。しかし、難易度の高い“ちょいダサ”のアイテムを取り入れ、スタイリッシュに着こなしてこそ、自分のファッションセンスがアピールできるのだ。
そんなリバイバルブームの中、「ダッドスニーカー」にも注目が集まった。

レトロなカラーリングのアッパー、こんもりとした厚みのあるソール、スタイリッシュとは言い難い幅広のシェイプ。80年代映画に出てくるオタクが履いているようなルックスで、海外では「アグリー(醜い)スニーカー」と呼ばれることもある。
この個性的でダサく、難易度の高いスニーカーが、アーティストやファッション関係者達の“おしゃれ魂”に火をつけたのだ。
ダッドシューズを使った“ハズし”コーディネートのインパクトは抜群で、ストリート系の若者を中心に人気が加速。2017FW~2018SSコレクションでは、多くの有名メゾンからダッドシューズが誕生した。

そんな中、ラグジュアリーブランド「BALENCIAGA(バレンシアガ)」から発売された“トリプルS”により、ダッドスニーカーブームは爆発的なものとなった。
世間の見方も、『ダサいダッドスニーカーをスタイリッシュに着こなしたコーディネートが格好いい』というものから、『ダッドスニーカー自体が格好いい』という印象に変わった。
また、難易度の高いダッドスニーカーをファッションに取り入れること自体が“おしゃれ上級者”の証になるのだ。
注目のダッドスニーカーをチェック

ダッドスニーカーブームを確かなものにした、「BALENCIAGA(バレンシアガ)」のトリプルS。こんなにもソールが分厚いのは、ランニングシューズ、バスケットボールシューズ、トラックシューズの3種類のスポーツソールがレイヤリングされているから。
個性的なデザインに目がいきがちだが、その快適な履き心地もポイントが高い。
非常に人気が高いため手に入れるのは難しいが、今最も旬なスニーカーと言って過言ではないだろう。

レトロなカラーブロックとIMEVAミッドソールを組み合わせた、「PUMA(プーマ)」のサンダースペクトル。
10万円前後するラグジュアリーブランドのダッドスニーカーに比べて、¥ 15,984という価格も嬉しい。
こちらも非常に人気が高く、入手が困難なアイテムである。
アディダスとラフ・シモンズのコラボレーションからうまれた「Adidas By Raf Simons(アディダス バイ ラフ・シモンズ)」のオズウィーゴ3。
前述した「BALENCIAGA(バレンシアガ)」のトリプルSと双璧をなす人気のダッドスニーカー。多くのファッショニスタやセレブが着用していることでも知られている。
一見難しいアイテムに見えるが、足元に適度なボリュームが出て実は意外と取り入れやすいダッドスニーカー。購入前に一度、父親のスニーカーを借りてイメージを膨らませみるのもいいかもしれない。