今、ファッション好きの中で”リメイクアイテム”、”リメイクブランド”が注目を集めている。

古着を組み合わせて新たな物を作り出すリメイクアイテムは、古着特有の風合いを活かしながら、新しいデザインや着心地を生み出しているので、同じものが世に2つと無い。

その唯一無二感がファッションにこだわりのある人たちにウケているのだ。

中でも人気を集める3つのブランドをピックアップし、それぞれのブランドの背景、人気のリメイクアイテムについて掘り下げて行きその人気の理由に迫る。

77circa(ナナナナサーカ)

ナナナナサーカは、デザイナー森山直樹氏が手がける日本のレディースファッションブランド。

2014年に初めてのコレクションを発表し、わずか数年で人気注目度の高いブランドだ。古着のリメイクアイテムを中心にラインナップ展開しており、その古着独特な風合いや形が特徴的であり、古着を組み合わせてリメイクしたカットソーやデニムが人気。

グラフィックTシャツを組み合わせたカットソーはブランドの中でもアイコン的人気を誇る。古着特有の風合いを残しつつ、カッティングやシルエットで現代的なシティーライクな着こなしに。

色味の異なるデニムを組み合わせて再構築したリメイクデニムも人気アイテムの1つである。裾のフリンジ加工やバックポケットをはずずことでデニムの濃淡のコントラストを魅せる。

同じサイズでも1本1本デザインやシルエットが異なるナナナナサーカのリメイクデニム。自分だけの、自分にあったデニムが見つけられる。

Rebuild by Needles(リビルドバイニードルズ)

出展: http://www.nepenthes.co.jp/feature/48/f48.html
出展:http://www.nepenthes.co.jp/feature/48/f48.html

リビルドバイニードルズは、清水慶三氏がスタートしたファッションブランドのNeedles(ニードルズ)のリメイクラインである。ネペンテスの清水氏が手がけるニードルズはその独特な雰囲気がクセになるとファンの心を掴むようなブランド。

ニードルズといえば、H.D pants(ヒザデルパンツ)や、トラックパンツ、トラックジャケットなどブランドを象徴するアイコン的アイテムが揃い、遊び心満載ながら着たときのかっこよさが中毒性がありメンズレディース共に人気高い。

リビルドバイニードルズは清水氏が海外の古着屋やサープラスストアを回る際に目にする、過去に作られた良い服を現代に合わせて新しく作り出すという思いから始まった。ブランド名にもあるように、リメイクではなくリビルド(再構築)することをしており、一着の新しい洋服を作るような感覚だと清水氏は語る。

1つとして同じものがない古着をベースにしているからこそ、組み合わせたときの柄やディテールの見え方が新鮮味を作り出す。1点ものであるということがファッションにこだわりの強い層にウケる。

ファッション性だけでなく、デッドストックになる服をリサイクル利用することはエコであり、社会的にもメリットがある。

ここで、リビルドバイニードルズのアイテム一部を紹介。

1 7 cuts Flannel Shirt (写真上)
2 Ribbon Flannel Shirt

フランネルシャツを再構築したシリーズはリビルドバイニードルズの中でも人気が高くコーディネイトに取り入れやすい。

数枚の異なるフランネルシャツをピース化し、1枚のシャツに落とし込むその技術は1級もの。ただシャツを組み合わせるだけでなく、現代に合わせて裾のデザインやポケットを左右非対称にしたりと、デザイナーのこだわりが光る。

ドレスシャツの要素のリボンテープをネルシャツに落とし込んだリボンフランネルシャツも登場する。

古いものを使い、現代にあったものを再構築するリビルドバイニードルズ。1つ1つ柄やシルエットが異なるのがリメイクの良いところであり魅力満載だ。

MALION vintage(マリオンヴィンテージ)

マリオンヴィンテージは、2017年1月に粕谷栄莉子氏と清水亜樹氏によってスタートした日本のファッションブランド。カジュアルなイメージが強い古着リメイクブランドのなかでも、女性らしいセンシュアルなアイテムを手がけるのがマリオンヴィンテージの特徴だ。

古き良きものにトレンド感のあるシルエットや色使いを現代の女性に合わせて落とし込み、新たな服作りをしているので、設立から若いブランドだがインスタグラムから注目を集め女性からの支持を受けている。

デニムの端切れをパッチワークのように組み合わせ作るコルセットベルトがブランド最初のアイテムであり、古着ながらもどこか色っぽい。また、ただ可愛いだけでない、着こなしが何通りかあるようなアイテムが現代のファッションに求められることでありそれに応えるのがマリオンヴィンテージだ。

スカーフをはぎ合わせて作られたロングスカートはワンピースにも、ヴィンテージレースを使用したタンクトップはノットを前後で結べるなど、1枚で着こなしの幅が広がる。デザイナー自身がインスタグラムで着こなしを提案しており、よりリアルに感じられるのも人気を集める要素だろう。

今回取り上げた3つのブランドに共通しているのが、同じものが2つとない自分だけの洋服を見つけられるという喜びがあることである。

古着ベースでありながらデザインやシルエットは現代にしっかりとシフトしているので全く新しい洋服として価値観を加え再構築されている。

リメイクブランドは、単なる古着やヴィンテージとは全く違う新たな立ち位置からアプローチしている。

”人と被らないもの”という特別感に加え、昔どこかの誰かが着ていた服を今もカタチを変えて循環させているということはなんだかロマンさえも感じる。それに、古着から現代風に生まれ変わったアイテム達は技巧に優れた作り手による賜物だ。

今後のあなたのワードローブにリメイクブランドをとりいれてみてはいかがだろうか。