70年代アメリカ・ニューヨーク、世界で最も有名なナイトクラブとして知られた「Studio 54(スタジオ フィフティーフォー)」。

1977年代、ディスコミュージックシーンが絶頂期の最中にオープンし、閉店までわずか3年という期間だったのにも関わらず、伝説的な存在とし、一世を風靡した。

この時代のカルチャーに興味がある人は誰しも、一度は耳にした事があるのでは無いだろうか。

今は見れない豪華セレブリティたち

同ナイトクラブは、ニューヨーク中の俳優、アーティスト、歌手、作家を中心とし著名人のセレブリティたちが毎晩のように集ったことでも大変よく知られている。

社交場としての役割を果たした場所からは、新たなムーブメント、時にはスキャンダル、多くの歴史が生まれた。

当時常連だったのは、アート界からはアンディ・ウォーホル、サルヴァドール・ダリ、音楽界からはマイケル・ジャクソン、デヴィッド・ボウイ、ミック・ジャガー、エルトン・ジョン、ファッション界からは、イヴ・サンローラン、カルバン・クライン、映画界からは、ウディ・アレンなど、数え上げればキリが無いほどの著名なセレブたちだ。

その他、アメリカ第45代大統領であり、不動産王のドナルド・トランプも若かりし頃に通い詰めたことでも知られる。

また、セレブの様子を写真に押さえようとし、多くのパパラッチが同ナイトクラブに集まり、新聞、週刊誌、ファッション誌を賑わせ、瞬く間に同ナイトクラブの名前が世に知られるようになった。 

「唯一無二」のドレスコード 

セレブリティたちが通うナイトクラブ、リアルなセレブたちの様子が生で見られることから、大衆からの爆発的な人気を博し、連日連夜、フロアに入りきれない程多くの人々が押し寄せた。

これを受け、オーナーの一人であったスティーブ・ルベルは、入場制限のため通称「ヴェルベッドコード」と呼ばれたドレスコードを設け、毎晩厳しいファッションチェックを行った。

その為、訪れる人々は、どうにか入場出来ないものかと、人種、性別、年齢を超えた、きらびやかで個性的、華やかなファッションを身にまとい、同クラブを訪れたのだ。

皆が華やかな衣装を身にまとった中、常にファッションアイコンとして注目を浴びていたのが、ローリング・ストーンズのミック・ジャガーの最初の妻であったビアンカ・ジャガーである。

”70年代グラム” を代表するような独特なファッションセンスを持つ事で知られた彼女。

多くのセレブたちが自由で開放的なヒッピースタイルに夢中になった中、ビアンカはニューヨークらしいミニマルでエレガントかつ個性的な、誰もが見た事のないようなファッションに身を包んだ。

真の唯一無二のファッションを身にまとった魅力的なビアンカは、瞬く間にスタジオ54の顔的なファッションアイコンとして名を広めるようになったのだ。

また誕生日に、オーナーのスティーブが用意した白馬に乗りスタジオ54へ入場した写真は、動物愛護団体からバッシングを受けるなど物議を醸し出しながらも、現在も尚、時代を象徴するファッションフォトグラフとして知られている。

Bianca Jagger riding a horse into Studio 54. #biancajagger #studio54

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ドキュメンタリー映画である同作品では、何故ここまで多くのセレブが集い、伝説的なクラブとして世界中に知られるようになったのか、カルチャー的視点で紹介されている。


豪華なセレブたちの色褪せないファッションは時代を超えて尚も注目され、スタジオ54 にて過ごした時間は、半世紀近く経つ今でも色濃く、伝説として語り注がれている。

作品内では、当時のセレブたちの様子が映像や写真を通じて紹介されており、若かりし頃の姿や奇抜で個性的なファッションを目にすることが出来るのも面白い。

またイギリスで公開された同作品は残念ながら、現在日本での公開予定は未定となっている。