昨年頃から、一部のセレブやモデルの間で見られるようになった、女性の坊主に近いヘアスタイル「バズカット」。
髪を短く刈り込んだセンセーショナルなスタイルは、ボーイッシュという概念を超え、どこかセクシーでイノセントな雰囲気をも持っている。
一見男性らしさを感じるこのヘアスタイルは、女性の美をどう引き立て、現代女性のフェミニズムと、どう関係しているのだろうか?
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女性のヘアスタイルに見る歴史的なムーブメント
新たなトレンドとして受け入れられ始めているバズカットは、ファッションだけでなく、時にメッセージ性の強いムーブメントとして、表現されている。
イギリスを代表する歴史的なデザイナーでパンクの女王と呼ばれる、ヴィヴィアン・ウエストウッドは、年々深刻化している気候変動の問題を訴えるプロモーション活動の一環として、トレードマークでもあった赤毛のロングヘアーをプラチナブロンドのバズカットにチェンジした。
これは環境問題への提議だけでなく、白髪のようなナチュラルなヘアーカラーに戻した行動は、女性が年を老うことに対しての敬意を示したものでもあった。
アンディ・ウォーホールのミューズとしても知られ、70〜80年代を代表するモデルのグレイス・ジョーンズは、髪を坊主にし個性的なファッションに身を包み、当時の人々を驚かせた。
グレイスのヘアースタイル、存在は、ジェンダーの境界線を超えた人間的な魅力として、ウォーホールや人々に支持されていった。
セレブに見るバズカットからのメッセージ
バズカットという言葉が急激に浸透した背景には、多くのセレブが、イメージチェンジを図り、髪を短く刈り上げたスタイルを披露したことが大きい。
最も記憶に新しいのは、映画の役作りの一環として、バズカットにした女優のクリステン・スチュワートだ。
このヘアースタイルは、以前より彼女の美しい顔立ちを際立たせ、セクシーな魅力を倍増させた。
その他、映画の役作り以外でも、バズカットにし、美に対する意識を提議したセレブがいる。
歌手のケイティ・ペリーは、美が女性にとって何を意味しているかを再定義する意味を込め、ブロンドのバズカットにイメチェンし、話題となった。
イギリス人モデルで女優のカーラ・デルヴィーニュも、バズカットにイメチェンした後、美に対する現代のフェミズムへの講義かのように、自身のインスタグラムでこうコメントしている。
“I am tired of society defining beauty for us. Strip away the clothes, wipe off the makeup, cut off the hair.”
「私は美しさを定義する社会に疲れているの。さあ、服を脱いで、メイクを落として、髪を切って。」
現代社会においての女性の美に対する定義や形は、このように変化や改革を遂げている一方で、実践する人は、まだまだマイノリティかのように見られる。
一方良い点で言えば、ファッションやヘアースタイルを、性別やジャンル、スタイルを超えて楽しめるようになったことは、女性のフェミニズムに対する考え方を大きく変える要因となっているのではないだろうか。
海外で流行し、少しずつ浸透し始めているバズカットは、今後日本でもどのように受け入れられていくのだろうか、単なるトレンドとしてだけではなく、意味あるものとして人々に認められていくのだろうか。